35歳独身女性天体図Ⅱ(高橋三千綱) #3

連載「恋を結ぶ往復書簡―男と女の恋し方―」では、芥川賞作家である高橋三千綱先生と、インテリア・アクセサリーデザイナーであるレイネン英子氏よる、恋愛や男女の違いをテーマとした往復書簡を掲載中。今回は、高橋先生が「30代独身女性に対する男性の目線」を綴ります。

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「30代の女は楽しい。人生ここからリセットというくらい清々しい心が生まれる」というのは好い言葉だな。「しなやかな30代の女性は、生活を共にしていくパートナーを探す最適な年代になると思う」という意見も女性の共感を呼ぶと思う。そういう女性に私も何人か、いや、何十人か出会ったことがある。その時思ったのは、こういう佇まいが自然な女性が選ぶ男というのはどんなやつだろうということだった。

結構、当たり前すぎるような普通の男を伴侶に選んでいた気がする。

同世代の男はそんな女の良さに案外気付かない。35歳の男の視界は結構広角で下は18歳から上は38歳くらいまで当たり前のように見ている。そいつが結婚相手を求めているのか、単に下心を抱いているのかは別問題だけどね。

幻滅するかもしれないが、大抵は卑しい心根で見ているな。だから同世代の男というのは、目の前にいる女性の良さを見過ごしてしまうんだ。だが、そいつらを取り締まる方法は、ない。

そこで35歳の女性を中心にした天体図に戻る。10歳年上の45歳の男になると、卑しい心根で女を見るより、結婚相手としてどうかと観察するだろうね。女がその視線にどう応えられるかはここでは問題にするのはよそう。

45歳の男から見ると10歳年下の女性は貴重な存在となる。どう貴重かはひと口では言い尽くせない。男が自分自身の資質を問うことも、視野にいれなくてはならなくなるからだ。

ただ、男も45歳になると自分の能力と対決しなくてはならない。だから未来への不安や離婚経験者なら前妻との思いが複雑にからみあって女に対して慎重になる。

ところが結婚している者なら家庭不和から35歳独身女性に対して異常な関心を見せるようにもなる。男は不倫に罪悪感を持ったりはしない。

45歳の男でずっと独身でいるというやつを結婚の対象にすると、案外ドジを踏むかも知れない。結婚してみて初めて知った夫の危ないところ、というやつだ。結婚しなくては分からないことがたくさんあるということは、男の年齢を問わず、頭に刻み込んでおいた方がいいだろう。

高橋三千綱

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